一周忌
まだ秋晴れというには暑すぎる週末、一周忌の法要を行いました。
1年というのは、本当にあっという間でした。
何も考えられずに目の前にあるやらねばならないことを片付ける日々、そして、最近は、まだまだきちんと1歩を踏み出せていない自分を歯がゆく思う日々。
そんな日をひとつずつ積み上げていたら、あっという間に1年が経ってしまいました。
残心
お坊さんがこの日選んで話してくれたのは、残心という言葉についてでした。
心残り、という意味でもありますが、剣道や弓道でも使われる言葉ですよね。
夫が心残りに思うのは、まず第一に子供たちのことかと思います。
いろいろしてあげたかったこと、見守っていきたかった成長、本当に悔しいだろうなと思います。
でも、そういった悔やむ心を残していることではなくて、弓道で弓を放った後にその行方を見極めるように、夫の心は過去を悔やむだけでなくて、この先の未来を見つめた状態で残っているということ。
話を聞いて、夫が生きていた時に子供たちのまだ見えない未来に向けて放った矢が、どうやって進んで的へ向かっていくのか、そのときの期待や楽しみな気持ちのままに残っているんだと思っていこうと考えることができたと思います。
まだ、そんな話を聞いていたら、涙を抑えることはできなかったけれど、もっと力強く私が踏み出すことを望んでいてくれてるのかなと思うことができました。
一緒にいると信じています
私と夫が知り合ったころ、夫は犬を飼い始めたばかりでした。
その後、一緒に暮らし、子供が生まれる前は、その子と今我が家にいるワンコの2匹が私たちの子供のようでした。
子供が生まれてからも、兄弟が増えたかのように、子供たちともとても仲が良くて、そして何より夫のことが大好きで毎日べったりくっついていたんです。
その子が、夫が亡くなる1年半前に急に具合が悪くなって天国へ旅立ったとき、家族みんなが悲しみ、特に私と夫はしばらく食欲もなくなりました。
数か月して私も落ち着いてきたのですが、夫は1年経ってもまだ、写真を抱いて眠ることもありました。
今、あちらの世界にいる夫を想像するとき、必ず夫に抱かれたそのワンコの絵が浮かびます。
いなくなって1年くらいは、そのワンコはいないはずなのに家の中で気配すら感じてたのですが、今はここにいない気がします。
きっと夫と一緒に行ったんだろうなと思います。